[本]グレッグ・イーガン『万物理論』(創元SF文庫)

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[本]グレッグ・イーガン『万物理論』(創元SF文庫)

 最後の不当な国境線の消去とともに自由の地図が
   完成されるというのは真実ではない
 われわれにはまだ雷のアトラクタをチャート化し
   干魃の非周期性を図示することが
 一千の人間の言語並みに豊かな
   森林やサヴァンナの分子レベルの方言を解明することが
 そして神話を越えた太古からわれわれの情熱の最深部にある歴史を認識することが
   残されているのだから

 ゆえにわたしは数字の独占権を所有している企業はないと
 0と1を囲い込める特許はないと
 アデニンやグアニンの主権を持つ国家はないと
 量子波を支配する帝国はないと宣言する
 
 そして真実というものは売買することも
 力ずくで押しつけることも、抵抗することも
 逃れることもできないのだという
 理解を祝う集会には誰でも参加できる余地が
   残されているべきだ。
   
――ムテバ・カザディ『テクノ解放主義』(2019年)より

 読了。『宇宙は説明されることで存在する』をテーマにハードSF長編を書きつづけたイーガンの(1995年時点での)集大成的?長編。イーガンは元から政治や社会に対する発言の多い作家ではあったが、これだけ政治や社会に対する言及の多い作品は、今まで読んできた中ではなかった気がする。(私は邦訳されているイーガン作品は全部読んでる…と思う)
 ストーリーを簡単に言うと、2055年、ある科学ジャーナリストが現実逃避的に取材対象に選んだ国際理論物理学会で起こるトラブルのあれこれ、なのだけど、こんな説明では何も言っていないのと同じだし、しかし私の脳みそでは本書を1/5も理解できていないだろうからこれ以外に特に語りようもないし、そして少しでも分かった気になるには最低もう一度読み返す必要があると思うけど、いつ読み返す気になるかは不明。私のノロウイルス的症状がまだ続くなら読み返すかもしれない。暇だし。

 作中、主人公がコレラに罹患する場面があるのだけど、それがちょうど私のお腹の調子が悪くなってきた頃と重なって激しく悪寒、ついでに過去出血性大腸炎で入院した時のことも思い出して辛さをかみしめた。腸の蠕動がたまらなく辛いのです。がくがく震えます。
 
 で、読後の感想なのだけど、とーっても理屈っぽくて左脳的で男性的(笑)な小説なのだけど、ひとつひとつ理解することを微妙に放棄しながら読んでしまったので意外とすらすら読めた。結果として理解はかなり失われているけど、まあ面白かったです。また、本書についてわかりもしないのに分かった風に書き散らして後で鬱になるのも嫌なので、分からないものは分からないし書きようもないと書いてお終いにします。
 
 最後に、訳者の山岸氏が、本書の訳出に五年以上かかったことについてお詫びをしているが、いつもながら山岸氏はそれなりにいい訳だと思うし、これだけの科学技術長編を飲み込み再定義し日本語化するのは並大抵の仕事ではないと思います。お疲れ様でした。(…とこんな所に訳者をねぎらう言葉を書いた所で当人の目に触れる訳がないし、そもそも誰かに対して「ねぎらう」なんて偉そうな事ができた人間かよ私は、という反論もあるわけだけど、まあいいや)
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